下関ブランド推進協議会のホームページは、「認定品の一部に不適正表示がありました」として、下関ブランドのPRを一時停止していたが、10月21日に再開された。そこでは、一部商品を認定より削除したことを消費者に「お詫び」をしている。
下関ブランド推進協議会のホームページより(原文掲載)
お詫び
消費者の皆様へ 【認定削除消費】 |
下関ブランド推進協議会(会長・中尾友昭下関市長)は、選定メンバー11名で構成されている。中尾下関市長を会長に下関商工会議所斎藤観光部会長を副会長として、商工会議所のメンバーを主体とする各界の代表者が名を連ねている。今回のフグ加工品業界のJAS法違反の不適正表示を受けて、下関ブランド推進協議会は19日、「ふるかわ」から認定辞退の申し出を受けて「本格仕立てふく茶漬け」をフグ関連商品から削除している。しかし同じJAS法違反の指摘を受けた「ダイフク」の「とらふく雑炊(フリーズドライ)」、「フグ煮こごり」、「とらふぐ塩辛」の3品の取り消しはしていない。同様にウニ関連商品の中に、下関水陸物産の「栄華乃夢粒うに」、「下関名産 磯粒うに」、「復刻版粒うに」の3品も取り消されていない。同様にくじら関連商品の中に、JAS法違反の指摘を受けた「ダイフク」の「鯨竜田揚げ」1品、マル幸商事の「くじらスモークハム」、「レトロソーセージ」、「畝須スモークベーコン」、「鯨焼肉」、「鯨3点セット」の5品も削除されていない。
同様にその他関連商品の中の「ふるかわ」の「素焼き穴子の西京味噌漬け」は取り消されないまま残っている。
取り消されたのは、認定を辞退した1品だけであり、違反した企業の商品が正々堂々と、カタログに掲載されていることに変わりはない。
今回のフグ加工品は、不適正な表示によるJAS法違反であり、食中毒などは発生していないので「安全」は確保されているとの考えで上記商品は取り消されていないかもしれない。
しかし「食の安心安全」は必要十分条件でなくてはならないことは言うまでもない。
経営者は、長年の経営努力(商品開発・コンプライアンスや従業員教育)をして、その土地の名物(ブランド品)としての名声を勝ち取ったものである。またその名声を維持するためにもたゆまぬ努力をしている。つまり「食の安心」が欠ける企業の商品を「下関ブランド」としている感覚は消費者には受け入れられないものと思われる。
数字からみると下関ブランドに認定を受けている商品70品中、52品が水産加工品である。
この一連の下関ブランド推進協議会の対応について、下関市民や消費者がどのように感じるのだろうか また下関ブランドの認定を受けている水産加工業以外の業者は、地に落ちた下関ブランド商品として登録していることに疑念を持ち始めているとも聞く。今こそ官民挙げて思い切った対策を講じないことには、このままでは内外から崩壊する可能性もある。残された時間はない。
【特別取材班】
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