過払い金返還請求の大きな負担と上限金利引き下げによる経営不振で、大手のアイフルが事業再生ADR(裁判外紛争解決)の手続きに入るなど、消費者金融登録業者の経営内容は非常に厳しくなっている。正規の登録業者数は2000年の3万社が09年度には6分の1の5千社に激減している。
一方では、無登録の違法なヤミ金融業者による消費者の被害は増加しており、2010年6月施行の改正貸金業法で総量規制(年収の3分の1以下)が導入されると、さらに被害拡大が懸念されている。
事例としては、強引な取り立ては影を潜めているが、最近では顧客からの返済用口座を凍結したり、借り入れ期間を長引かせ完済を妨害するケースが増えているという。また、正規登録業者が審査を厳しくしていることに乗じて、年利1,000%以上、10日で50%などの高金利で貸している悪徳業者も出ている。
【久米 一郎】
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