存続させる工場はどうするのか?生コン工場集約化において一番高いハードルと言っても過言ではない。日本初のLLPでの集約化を実現した愛設生コン有限責任事業組合の場合、伸和生コン(新木正明代表)・豊根生コン(熊谷行史代表)2社とも、「どちらも工場を閉鎖しても構わない」というお互いの意思確認が出来、信頼関係を築けた事が何よりも集約化が実現した最大の要因であるという。工場設備の老朽化が進んでいた豊根生コンの工場を閉鎖することで決定した。ポイントは、2社の代表とも自社工場を閉めるという覚悟を決めたことであった。お互いに「工場を閉める、閉めない」で評定を繰り返していては、破綻してしまう可能性もあったという。
単に工場を廃棄して事業を止めるのではなく、自由度の高いLLPを活用する協業によって会社を存続させ、相応の利益を確保し、市場環境に応じた製造、販売そして雇用を守れる仕組みが出来たことが、愛設生コン有限責任事業組合発足に至ったのではないだろうか。
簡単なことではないが「自分の工場を閉める」という意志と覚悟が集約化する際は工場経営者全員必要であろう。
(つづく)
【河原 清明】
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