桑野照史市長の退任にともなう来月8日告示、15日投・開票の筑後市長選が注目を集めている。同選挙をめぐる状況は、かなり複雑だ。
筑後市は衆院福岡7区にある自治体だが、同区は8月の総選挙で自民・古賀誠氏と民主・野田国義氏が激戦を展開、野田氏が僅差で古賀氏を上回っていた。筑後市長選は、古賀VS野田の再現かと思いきや、そうではないという。
筑後市選出の自民党県会議員は、県政最大の実力者である。そのお膝元の市長選であることが問題なのだ。
現在までに同市長選への立候補を表明しているのは2名。前副市長と現職の市議である。ふたりとも民主党への推薦を要請したが、民主党福岡県第7区総支部が推薦候補として機関決定したのは現職市議。ところが、同市議と自民県議は疎遠と言われる。もちろん、現時点で民主、自民の立場の違いも鮮明となっている。
県議に近いとされる前副市長は、後援会事務所を市役所近くに移し、臨戦態勢に入っているが、勝敗の行方次第で、県議の求心力にかげりが出ることも予想される。
現職市議への民主推薦は、なぜか県連レベルで「ペンディング」されており、民主、自民の県議による「話し合い」があったとの観測も流れる。
大物県議の力量が問われる事態を、県内政界関係者が固唾をのんで見守っている。
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