今月23日に報じた博多港で行なわれている「着工遅延1年の浚渫工事」について取材する過程で、「施工体系図」が見当たらないことに気付いた。
建設業法では、一定金額以上の建設工事において、当該工事の各下請人の施工分担関係を表示した「施工体系図」を作成し、工事現場の見やすい場所に掲げることを定めている。「着工遅延1年の浚渫工事」について、同工事を発注した九州地方整備局(以下、九地整)に施工体系図の掲示場所を確認したところ、元請け企業の本社にあるという。
22日、早速元請け企業を訪ね、施工体系図を見せてくれるよう頼んだが、あっさり断られてしまった。業法違反ではないかとして、九地整に指導を求めたところ、「工事現場の責任者と連絡をとったが、社屋内に掲示しており、表に出すため会社に向かっている。時間をいただきたい」との回答だった。
同日夜、元請企業を再訪したところ、体系図が同社の社屋横に貼り出されている。会社側は「以前から貼ってあった」と言うが、九地整の説明とは違っていた。元請企業側の職員も九地整の指導直後、「二階に貼ってあったが今はない」と語っていた。
27日、再度工事現場を訪れたが、22日の段階で工事現場近くの岸壁に立てられていた工事を表す看板の横に、施工体系図等必要な表示物が並んでいた。
元請企業側が努力してくれたものと思われるが、くれぐれも建設業法に違反することのないよう注意が必要である。
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