民主党政権の誕生で、各業界・団体が政党との関係見直しを進めている。既に歯科医師会は、来年の参院選における自民党からの公認候補擁立を断念しており、医師会、農協など自民党を支えてきた団体が民主党に軸足を移すのも時間の問題と見られる。どの団体がどちらの政党を支持しようと自由だが、「政・官・業」の癒着だけは断ち切らなければならない。
「政・官・業癒着」というが、その形態も様々である。西松建設によるダミー団体を使った違法献金事件もそのひとつの形なのだろうが、ひょんなことから特定の建設業者と政治家、そして役所とのつながりが見つかることがある。
政治家の秘書を企業が派遣し、事実上の献金を行うというのは古典的な手法だが、福岡でもいまだにそれに近いことが行われていた。しかし、手法は少しばかり巧妙だ。政治家の秘書的立場の元官僚を自社の役員に据え、政治家への便宜を図るというもので、元官僚の役員氏(昨年10月で退任)は、総務省届け出の政治団体まで作って自らが代表を務めていた。建設業者・官僚OB・政治家の腐れ縁である。
政治と金をめぐる取材を続けるなか、マリコンに関する不自然な工事のあり方も浮き彫りとなっている。公共事業の入札方法にも問題がある。
次週からの新シリーズで、建設行政の闇に迫りたい。
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