日本にとっても決して他人ごとではあり得ない。なぜなら、海流の変化は海洋生態系の変化をもたらすからである。その結果、漁業への影響は計り知れないものがありそうだ。というのも、プランクトンの育成が阻害されることになるからである。世界的なプランクトンの減少がもたらす魚介類への悪影響は我々の食生活を直撃することになるだろう。
地球が温暖化するにせよ、冷却化するにせよ、日常的にあらゆる可能性を念頭に置き、我々自身のライフスタイルをも常に見直すという発想の転換が必要とされる。そんな時代に我々は生きていることを自然が教えてくれているようだ。
ちなみに、温暖化防止策を討議するCOP15だが、コペンハーゲンのホテルでは2万人もの代表団を収容しきれず、大半はスウェーデンに滞在し期間中(12月7日~18日)、車で移動する。これだけで大量の温室効果ガスを排出することになるわけで、温暖化に輪をかけることになりそうだ。
理想を掲げるのは結構だが、言行不一致の批判を浴びないためにも、地道な環境対策を肝に銘じるべきであろう。
【浜田 和幸(はまだ かずゆき)略歴】
国際未来科学研究所代表。国際政治経済学者。東京外国語大学中国科卒。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。新日本製鉄、米戦略国際問題研究所、米議会調査局等を経て、現職。
ベストセラー『ヘッジファンド』(文春新書)、『快人エジソン』(日本経済新聞社)、『たかられる大国・日本』(祥伝社)をはじめ著書多数。最新刊はオバマ新政権の環境エネルギー戦略と日本への影響を分析した『オバマの仮面を剥ぐ』(光文社)。近刊には『食糧争奪戦争』(学研新書)、『石油の支配者』(文春新書)、『ウォーター・マネー:水資源大国・日本の逆襲』(光文社)、『国力会議:保守の底力が日本を一流にする』(祥伝社)、『北京五輪に群がる赤いハゲタカの罠』(祥伝社)、『団塊世代のアンチエイジング:平均寿命150歳時代の到来』(光文社)など。
なお、『大恐慌以後の世界』(光文社)、『通貨バトルロワイアル』(集英社)、『未来ビジネスを読む』(光文社)は韓国、中国でもベストセラーとなった。『ウォーター・マネー:石油から水へ世界覇権戦争』(光文社)は台湾、中国でも注目を集めた。
テレビ、ラジオのコメンテーターとしても活躍中。「サンデー・スクランブル」「スーパーJチャンネル」「たけしのTVタックル」(テレビ朝日)、「みのもんたの朝ズバ!」(TBS)「とくダネ!」(フジテレビ)「ミヤネ屋」(日本テレビ)など。また、ニッポン放送「テリー伊藤の乗ってけラジオ」、文化放送「竹村健一の世相」や「ラジオパンチ」にも頻繁に登場。山陰放送では毎週、月曜朝9時15分から「浜田和幸の世界情報探検隊」を放送中。
その他、国連大学ミレニアム・プロジェクト委員、エネルギー問題研究会・研究委員、日本バイオベンチャー推進協会理事兼監査役、日本戦略研究フォーラム政策提言委員、国際情勢研究会座長等を務める。
また、未来研究の第一人者として、政府機関、経済団体、地方公共団体等の長期ビジョン作りにコンサルタントとして関与している。
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