福岡2区・稲富修二衆院議員の政治資金流用問題で、稲富氏側に出した質問状に対する答えは不完全なものだった。頑なに真相を隠そうとする稲富氏側の姿勢からは、国会議員としての自覚など、まるで感じられない。
昨年、稲富氏が自身の政治資金団体「いなとみ修二後援会」に貸し付けた500万円の原資についての質問に対し、稲富氏側は「預貯金」と回答してきた。預金と貯金をいっしょくたにする神経は理解できないが、これでは回答になっていない。
稲富氏自らが真相を語ろうとしない以上、稲富氏をめぐる金の動きについて、取材の上、特定できたものをぶつけていくほかない。まずは、稲富氏が「貸し付けた」とする500万円の原資についてである。
実は、稲富氏が貸し付けた500万円は、07年福岡県知事選時の選挙余剰金1,900万円の一部である可能性が高い。明日から巨額な政治資金流用疑惑の原点である、07年知事選の選挙余剰金の動きについて報じていく。