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「選挙」が業績のカギを握る 政党に特化した広告代理店 (株)英広社(1)
特別取材
2009年10月 8日 11:41

 2009年8月30日、衆議院議員総選挙で民主党が308議席を獲得して悲願の政権奪取が実現、我が国の政治史を塗り変えた。しかしその影では、福岡2区で初当選を果たした民主党・稲富修二衆院議員の、07年福岡知事選での政治資金流用疑惑が浮上。知事選当時に、ポスター・ハガキなどの企画・制作を手掛けた広告代理店(株)英広社を巻き込んだ大問題となっている。

代表者:三浦 弘二
本 社:福岡市中央区大手門2-2-11
設 立:1997年5月
資本金:2,000万円
業 種:広告・企画ほか

<民主関連の広告・企画が主力の広告代理店>

 2007年、福岡知事選の民主党推薦候補であった稲富修二衆議院議員(民主党)の、政治資金流用疑惑が浮上した。同選挙当時、政治活動で使うポスター・ハガキなどの印刷物やPR関連など宣伝事業の企画・制作を手掛けたのが、福岡市中央区に本社を置く広告代理店の(株)英広社。地場大手土木会社の関係会社で、その土木会社の代表が大株主である。また、親族には民主党のベテラン代議士がいる。
 英広社は、97年5月に広告宣伝や市場調査を目的に設立された。地元広告代理店に勤務していた同社の現代表が、前述の地元土木会社代表から「民主党を主体とした広告企画会社を設立するから」との誘いを受け、設立時より取締役として参画。後に代表に就任した。
 会社設立の経緯から、民主党関連の仕事が業績の80%以上のシェアを占める。その他、地方自治体の振興プロジェクトを任され、行政と連携して県内外でのPR活動を行なうなどしている。業績の規模としては、5,000~6,000万円の売上高で推移しているが、選挙が行なわれたときは、1億円を超える売上高を計上している。選挙が英広社の業績の浮沈の鍵を握っているといっても過言ではない。ただし、実質的には、現代表1人での活動となっており、営業利益約4%、経常利益で約3%の利益を確保。経営自体には問題はない。

<杜撰な政治資金管理>

 冒頭述べたとおり、先の総選挙では民主党が大勝し、福岡2区も民主党の稲富修二氏が悲願の当選を果たした。だが、稲富氏が知事選に出馬した折、政党交付金を原資とする約1,900万円余りの余剰金が発生。使途不明となり、重大な疑惑が生じている。昨年11月より弊社政治・行政特別取材班が独自取材を実施してきており、連日弊社「NET-IB」で詳細を報じている。
 要約すると、稲富氏が07年の福岡県知事選挙に民主党推薦で立候補。麻生渡知事に敗れたが、選挙に際して、民主党側から推薦料として4,000万円を受け取っていた。稲富氏の「選挙運動費用収支報告書」を確認すると、収入総額が4,011万円であるのに対し、支出は2,261万1,126円。支出から公費助成がなされたポスター作成費を引くと、2,101万8,406円が実質支出となる。収入と支出の差1,909万1,594円が余剰金となり、その約1,900万円の使途が不明となっている。
 さらに弊社の取材から、新たな政治資金流用疑惑が浮上。1,900万円の使途不明金問題に次ぐ、杜撰な政治資金管理が発覚している。
 民主党が稲富氏の知事選への擁立を決定したのは、07年2月19日。3月7日には知事選向けの支援団体「ふくおか@創造リーグ」(以下、創造リーグ)が設立され、県選管に政治団体の設立届が提出された。07年分の収支報告書によれば、創造リーグの活動資金は、全額が民主党からの寄附2,750万円(うち1,500万円は『いなとみ修二後援会』を迂回して入金)でまかなわれている。このうち、07年内に使われたのは1,161万7,675円で、選挙終了時の残金1,588万2,325円がそのまま翌年に繰り越されている。創造リーグは知事選から9カ月以上経った08年1月28日になって、1,235万5,611円という巨額な宣伝事業費を市内の業者に支払う。収支報告書の記載を確認したところ、支出の目的は「ポスター、ハガキ等企画制作費」。知事選挙に関する支払い残があったと思われる。
 しかし、この支出目的と支払い時期は新たな疑問を提起する。第一に、政治団体「福岡@創造リーグ」が本当に『ポスター』『ハガキ』といった印刷物を作ったのかどうかという点である。07年3月7日の団体設立から知事選告示日の3月22日までは16日間しかない。この間、創造リーグが印刷物を作製し使用するとしても、公職選挙法上認められるものは限定される。22日から4月7日までの選挙運動期間は、政策宣伝用のビラしか作れない。つまり、創造リーグが『ポスター』『ハガキ』を使用することは、法的にも物理的にも無理があるのだ。むしろ、稲富氏個人の「選挙運動用」だった可能性のほうが高い。支出目的の信憑性に大きな疑問が生じているのである。

(つづく)

【河原 清明】


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