30日、公開された08年分の政治資金収支報告書から、政治資金流用疑惑に揺れる福岡2区・稲富修二衆院議員の資金管理団体による虚偽報告の疑いが浮上した。
「いなとみ修二後援会」は08年、25,578,470円の収入(前年からの繰越額は597,694円)を得、12,168,957円を支出していた。注目された福岡市中央区の企画会社への支払額は、想定された金額約700万円を大きく下回り、約280万円程度のものだった。さらに、同年1月28日であるはずの支払日が「5月23日」となっていることも確認された。
ポスターなどの政治活動用印刷物の企画を請け負い、約2,000万円の未収金を受け取った福岡市中央区の企画会社側は、稲富陣営側から入金されたのが同一日だったことを認めており、収支報告書の内容とは約4か月食い違う。
一方、稲富氏系政治団体「ふくおか@創造リーグ」の08年1月28日の同企画会社への支払い額は、報じてきたとおり約1,200万円である。支払日に稲富氏側から同社に入金されたのは約2,000万円だったことが明らかとなっており、残り約700~800万円の支払いは、当然もうひとつの政治団体「いなとみ修二後援会」関連のものとなるはずだった。しかし、同後援会の08年の企画会社への支払額は前述のとおり約280万円。500万円ほど勘定が合わないうえ、創造リーグか後援会、どちらかの支払日が違っていることになる。
稲富氏側が企画会社に支払った2,000万円の内訳は謎となるが、企画会社側は、全て政治活動に関する売上だったことを認めている。収支報告書には出てこない支払いがあったとしか考えられない。
「いなとみ修二後援会」の収支報告にはさらなる疑問が存在する。