今月3日、データマックスの直撃取材を受けた福岡2区の稲富修二衆院議員は、話を聞きたいとするデータマックス取材班に対し「お話できない」と逃げの一手。「(質問については)書面でいただきたい」と言い出した。事実上、説明責任を放棄したことになる。稲富議員と記者による問答の要旨を2回に分けて報じる。
■「書面で」の一点張り
記者:あなたの政治団体の件で5分ほどお話をうかがいたい
稲富氏:「その件についてはできれば書面でいただきたい。後で間違って、ご迷惑をかけたらいけない」
記者:迷惑などかからない。聞きたいのは、あなたが代表である政治団体のことについてだ。言葉では伝えられないのか。
稲富氏:「書面でお願いしたい」
記者:もとは税金ではないのか。
稲富氏:「正確を期すために、書面でと・・・」
記者:それでは、聞きたいことだけを伝えておきたい。書面で送るから、聞くだけ聞いておいてもらいたい。
稲富氏:「それも書面でお願いしたい。ご質問等は書面でいただかないと答えられない」
■稲富氏自身が貸し付けた500万円。
ここで記者は核心に迫る質問をぶつけてみた。8月30日に県選管から公開された08年の政治資金収支報告書によれば、稲富氏は昨年5月20日、自身の資金管理「いなとみ修二後援会」に500万円を貸し付けている。その原資について触れたのである。
記者:なぜ自分の言葉で話さないのか。選挙の余剰金1,900万円のうち、稲富さん個人で持たれていた金はないか?
稲富氏:「ご質問等は、繰り返すが今は答えられない。正確を期すため書面でお願いしたい」
記者:それでは衆議院議員など務まらない。あなたの団体のことではないか。
稲富氏:「今、私は何も持っていない中で答えろと言われても・・・」
記者:しかし、ここにある(収支報告書)は、あなたの方で(選管に)出したものだが。
稲富氏:「ぜひ書面で」
記者:分からない。自分の団体のことが言葉で説明できないのか。
稲富氏:「正確を記すため、間違ったことを伝えないためだ」
記者:書面で回答されても、誰が書いたものか分からないではないか。ご自身の言葉で説明するべきではないか。
稲富氏は、頑として口頭による説明を拒否する。しかし、稲富氏がもっとも動揺したのはこの後の問答だった。
(つづく)