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自律型ロボットの実用化・産業化は本格的に進むのか?(6)
特別取材
2009年10月24日 08:00

―テムザックの動きを中心とした同時代レポート

《インターネットにより操作制御するロボットは他社も手掛けているが、携帯電話で操作できるロボットはテムザックの独壇場。日本だけでなくアメリカの特許も取得している》

 さてこれまでテムザックとベーダ国際ロボット開発センターについてレポートしてきた。彼らの持つロボット技術は本当にどこまで競争力があり、ビジネス採算に合う実用ロボットをつくり出すことができるのだろうか。
 まずロボットと言うと、人間型をした2足で歩くものを想像する人が多いだろう。最近テレビなどでよく見られる、小型の2足歩行ロボットの対戦があったりして、子供でもそうしたロボットをつくっているのを見聞きする。
 しかし専門家の視点からすると小型の2足歩行ロボットは、ほとんどすべて「静歩行」という、重心が常に2本の足の内側にあって安定性が高いので制御は難しくないそうだ。
 一方、人間大の2足歩行ロボットになると、重心を足よりも前に出していかなければならず、常に高速でバランスの制御を行なわなければならない。これは「動歩行」というものだが、世界でも限られた研究機関と企業しか、まともな2足歩行のロボットはつくれていない。
 日本では、ホンダのアシモ、トヨタのトランペットを吹くロボット、政府系研究機関そしてテムザックと早稲田大学の共同による武士型ロボット「キヨモリ」の4つだけである。

海外イベントで大人気のキヨモリ

 すべての情報を掴んでいるわけではないが、日本以外で「動歩行」の2足歩行ロボットの成功例はまだ聞いていない。
 しかし、こうした2足歩行技術は自動車で言うとF1カーのようなもので、「実用化、産業化にすぐ役立つものではない」とテムザックの高本社長は語っている。
 では、テムザックが持つ競争力のあるロボット技術とは何だろう。
取材の中で多くの技術や特許の話を聞いたが、その競争力は大きく2つに集約されるようだ。
 まず第1に、「通信コントロールによるロボット制御」である。
テムザックが量産品として販売している家庭用見守り・留守番ロボットで「ロボリア」という商品がある。

「ロボリア」

 ロボリアは、テレビ電話機能のついた第3世代携帯docomo FOMAから操作して自由に動かすことができ、家庭内の様子をいつでもどこからでも見守ることができる。
例えば、1人住まいの高齢者が電話をかけても出なかったり、安否が心配な場合には、離れて住んでいる親族が携帯電話1本でロボリアを操作して、家の中を探し回り見つけて様子の確認や会話ができるものだ。
 用途としては、高齢者だけでなく、留守番している小さな子供やペットの様子も見守れる。また不在中、センサーにより侵入者や火事を探知した場合、登録されている携帯電話に自動通報する留守番機能もある。
インターネットにより操作制御するロボットは他社も手掛けているが、携帯電話で操作できるロボットは、テムザックの独壇場で、日本だけでなくアメリカの特許も取得している。
なぜ、携帯電話によるロボット操作が優れているのか次回説明する。

(つづく)

【松尾 潤二】


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