「福岡アジア文化賞委員会」に関し、不適切な海外出張を証明する数々の公文書の存在が明らかとなった。公費支出のありかたに疑問の声が上がるなか、同賞を所管する福岡市総務企画局の中川伸司国際部長に話を聞いた。
中川部長は不適切な文書の存在について、「記載漏れや印鑑漏れなどについては申し訳なく思う」と謝罪の意を表明した。さらに同部長は、「できる限り文書管理の適正化を図っていく」というが、アジア文化賞に関してのみ問題が発生していることについて聞くと「文化賞に関してミスが多かったことについても大変申し訳なく思っている。仕事のチェックの仕方について、どういう形で見直すか、担当課長らと話し合いを進めていく」という。
しかし、今回の問題はそう簡単に終わらせられる問題ではない。市側は、数々の不正な文書管理の実態や、計算違いで支出された旅費の返金指示について正式に公表していない。なぜ自らの不始末について、きちんと市民に謝罪しないのだろう。
中川部長自身も海外出張をしているが、今年6月のパリ出張については疑問点も存在する。スケジュールが空いた時間に観光しなかったのかと聞いたが、「ホテルの周辺はですね…」と曖昧な返事が返ってきた。
文書管理の問題については謝罪した中川部長も、高額専用車の利用や不必要な日程などについては言葉を濁し、言い訳に終始する。
市民感情から言っても、とうてい納得できるものではない。今後も、新たに入手した関連文書や職員への取材から浮かび上がる「アジア文化賞の闇」に迫っていきたい。
【市政取材班】