民主党が公約の柱としてきた「脱官僚」はカラ証文だった。
27日、亀井郵政改革担当相が日本郵政の役員候補を公表したが、副社長候補として名前が挙げられた4人のうち2人は、またしても元高級官僚だった。
副社長候補のひとり坂篤郎氏は、大蔵省(現・財務省)主計局次長を経て農林漁業金融公庫副総裁、内閣官房副長官補を歴任した人物。もうひとりの副社長候補・足立盛次郎氏は元郵政事業庁長官である。新社長に予定される斎藤次郎元大蔵事務次官とともに、官僚OBが日本郵政の中核を占めることになった。
特に大蔵省OBである坂氏の登用は、新社長に就任予定の斎藤元大蔵事務次官の起用と合わせ、財務省による郵政支配につながる恐れが生じる。
この日、内閣官房が発表した「郵政改革推進室」の初代室長も、総務省OBの清水英雄氏(現・ゆうちょ財団理事長)。鳩山内閣が目指す「郵政改革の見直し」は、官僚OBの手に委ねられたと言っても過言ではない。
鳩山政権は、斎藤元次官の社長起用で「脱官僚」に逆行するとして批判を浴びておきながら、さらに官僚依存姿勢を鮮明にしたことになる。
【秋月】
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