07年知事選における巨額な政治資金流用疑惑に揺れる福岡2区・稲富修二衆院議員が、不適切な政治資金の使い方で修正に追い込まれた。
稲富氏の資金管理団体「いなとみ修二後援会」の08年分収支報告書によれば、同年5月と8月の2回に分けて、同団体が「博多玄海ライオンズクラブ」の会費154,000円を支払っていた。政治活動費のうち「組織活動費(渉外費)」の項目にライオンズクラブの入会金や会費を支払ったことが記載されており、クラブ側発行の領収書も存在する。
ライオンズクラブは個人での入会を原則とする世界的奉仕団体である。「いなとみ修二後援会」としての入会は考えられない。前述の「博多玄海ライオンズクラブ」に確認したところ、政治団体での入会はできないという。ライオンズクラブの活動は、政治や宗教とは無縁でなければならないからだ。
稲富氏は個人の資格でライオンズクラブに入会しておきながら、その会費を政治団体の財布から支出させていたことになる。領収書のあて名は「稲富修二様」となっており、私的な支出を政治資金でまかなうという不適切な経理処理であるとして稲富氏側に問題提起していた。
稲富氏側からの正式回答は未だにないが、10月29日に福岡県選管に確認したところ、10月28日付で問題のライオンズクラブの記載について削除、修正が行われたことが判明した。
記載内容を見る限り、「いなとみ修二後援会」が支出したライオンズクラブの会費154,000円を稲富氏個人が後援会に返金したものと思われる。
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