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佐賀県江北町長・田中源一氏、前原国交相に「九州新幹線長崎ルートの凍結」を要請(1)
特別取材
2009年11月 4日 15:06

 「無駄な公共事業の見直し」を掲げる鳩山民主党政権の発足によって、長期にわたる自民党政権のなかでつくられてきた「政・官・業」のトライアングルが崩壊しつつある。前原誠司国交相は、群馬県の八ッ場(やんば)ダムの中止を表明し、各方面に衝撃を与えた。「無駄な公共事業の見直し」は、ダムだけに限らず、整備新幹線も例外ではない。これまで「新幹線は佐賀県にとってメリットもなく、無駄な公共事業」として反対を続けてきた江北町の田中源一町長が、先日上京し、前原誠司国交相に事業の必要性の再検討を要望した。田中町長に現状と今後についてお話をうかがった。

ムダの象徴長崎新幹線 地元に利益はない

 ──前原国交相にお会いになった経緯などをお聞かせください。

 田中 8月の総選挙で、佐賀2区では新幹線に疑問をもたれていた民主党の大串博志氏が当選され、政権も民主党に交代しました。新しい政権に対して、新幹線問題についてこれまでの経過を報告し、ぜひとも考えていただきたいという気持ちがありました。これまで一緒に戦ってきた桑原允彦・鹿島市長に相談をしたところ、桑原市長も同じようなことを考えておられました。そこで、大串衆院議員に労をとっていただき、10月21日に桑原市長と一緒に前原国交相と面談することができました。
 面談にあたっては、前原国交相がどこまで事情をご存知なのか分かりませんので、まず新幹線長崎ルートが着工するまでのプロセスの報告資料を提出しています。前原国交相に対しては、長崎ルートは他の整備新幹線と違って、沿線自治体の鹿島市と江北町の同意を得ないまま着工されたという経過を特に強調しました。新幹線長崎ルートに関しては、「沿線の全市町村が同意しなければ、国に対して着工の同意はしない」と佐賀県知事は立場を表明していました。しかし、2007年12月、佐賀県・長崎県・JR九州による3者会談が行なわれ、「JRが並行在来線を20年間運行するから経営分離にはあたらない。だから沿線の同意は要らない」という旨の合意がなされました。この結果08年の3月に長崎ルートが認可され、4月から着工が開始されました。この「3者合意」は、JRが新幹線と並行して在来線を運行するというものですが、その赤字を毎年1億円は負担しなければならず、新幹線についても維持管理費として毎年2億3,000万円も負担しなければなりません。また、今はこの肥前山口駅~鹿島間では特急列車が27本停車していますが、5本にまで減少してしまいます。新幹線については「フリーゲージトレイン」方式も検討されていますが、それを前提にした費用対効果も実際は高くなく、1を割り込むのでないかと思っています。こうした点も前原氏に伝えました。佐賀県や長崎県の新聞社によるアンケートでも、約6割が反対という数字が出ており、県民の理解も得られていないということも申し上げたところです。
 前原国交相とお会いして、ある程度のご理解をいただけたと思いますし、大臣も精査しなければという気持ちになられたのではないか、という期待を持っているところです。

(つづく)

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