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コダマの核心

地獄からの生還(11)~天国から地獄へ転落(3)
栄華を誇った金融業者=ロプロ(日栄)の倒産
コダマの核心
2009年11月 4日 11:03

<人集めナンバーワンであった日栄>

 商工ローンのロプロ(旧名・日栄)が会社更生法を申請した。負債総額は2,718億円になる。負債の特徴は、「過払い利息」に絡む債務が累計で4万件、2,500億円あるといわれていることだ。一般債権は218億円に過ぎない。これでは商売の存続は無理。会社更生法の選択は至極、妥当なところだ。だが、事業の存続は不可能。結局は破産の道が下されるであろう。天国で栄華を誇っていた「旧・日栄」の破綻は、法改正の動向いかんで「地獄へ真ッ逆さま」の実例である。
 15年前、旧・日栄は福岡市中央区にビルを構えて九州一円、ローカル都市にまで事業所を展開していた。業容拡大のため、常に人員の募集をしていたことを記憶している。筆者の周りでも、企業調査していた人がたくさん応募していった。ただ「旧・日栄」の人使いは荒く、短期間での転勤を余儀なくされていた。離職者も相次いだ。裏を返すと、弊社で求人をするたびに、「旧・日栄」に在籍していた人たちが押しかけてきた。すべて、面接以前ではねていた。金融営業担当者は、真面目に粘り強く仕事をしない印象があったからだ。今回の倒産劇は、社員を人と思わない「祟り」の蓄積が爆発したのだという表現は、一面で正解であろう。

<中小企業の「非常駆け込み寺」の役割>

 だが、「旧・日栄」の役割を正当化する層の存在もある。中小企業の経営者たちだ。「個人向けのサラ金業者と、企業貸出業者とを同じ扱いにして規制をしたのは間違いであった。政策ミスだ」と論じる人たちはたくさんいる。
 ある経営者は振り返る。「銀行では手形を割ってくれない。月末の資金繰りは迫ってくる。そうなると『旧・日栄』のような商工ローンに駆け込む必要が生じる。換金してくれるから、助かったことは一度や二度ではない。いまでも深く感謝している」。
 指摘されるまでもない。当時、中小企業が倒産して債権者名簿が判明すると、2社に1社、50%の割合で「旧・日栄」が債権者に名前を連ねていた。それだけ、中小企業が頼っていた証なのである。
 冒頭、証言した経営者の弁。「確かに『旧・日栄』のような町金融に頼りすぎて潰れた会社もある。だが、私のように幾度となくお世話になって、いまでは立ち直りしっかりした経営内容の会社に仕上げた経営者はたくさんいらっしゃる。これだけ企業向けに融資してくれる市中金融会社が潰されていくと、中小企業の経営者にとって試練である。資金の駆け込み寺がないということは、『もう死ね!!』と通告されたのと同じことだ。政府の金融政策は誤りだった。是正すべきである」。
 前回、「売上1兆円の企業が地獄に落ちる」と指摘したが、今回は「1,000億円の利益を出していた企業が、法令の変更で潰れる」と強調しておきたい。筆者も「サラ金(個人向け金融)と事業融資金融とに、同じ制裁を食らわせたのは失敗。中小企業は地獄の瀬戸際で踏ん張りが利かなくなった」という立場を取る。
商取引に対する法的規制で、今、パチンコ業界が絞りあげられている。次は健康食品の通販がいびられるであろう。高い納税額を誇った業界が、徐々に減らされていく。「それでいいのか」と警告を発しておく。

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