安値受注の多発は、決して受注者側だけの問題ではない。当然、発注者側にも問題がある。設備投資に費やすことのできる金額が減っているという現実はあるが、それでも最低ラインはある。そのラインをくぐり抜けて受注者側は見積もりを提示し、契約に至るというケースも多いようだ。それこそが常識を超えた安値受注である。発注者側もコストを安く抑えられるに越したことはない。
今のところ安値受注によって品質低下が起きているという例はあまり聞かない。しかし、その状況が当たり前となってくると、受注者側も金額相応の仕事しかしないという意識になるリスクがある。技術力が求められる業種だけに品質低下は絶対に起こってはいけないことだ。いくら安く見積もられても技術力・実績重視する、常識ある施主が増加することを業界は望んでいる。
(つづく)
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