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特別取材

役者だけでなく、市民が参加する劇場へ ─ 嘉穂劇場の取り組み(下)
特別取材
2009年11月 5日 08:02

多くの方々に使ってもらえる劇場へ

第九 ポスター
第九 ポスター
 ──嘉穂劇場を使っての町おこしについてお聞きしたいのですが。

 伊藤 NPOといっても民間ですから、劇場の維持や公演もやっています。ある意味、この劇場を残していることと、来ていただくことが町おこしになっていると思いますね。福岡や北九州、筑後といった外からのお客さんが大変多いです。最近、旧伊藤伝右衛門邸がオープンしましたので、観光客は増えました。

 ──季節によってさまざまなイベントをされていると聞きましたが。

 伊藤 春には、3年前から劇場が参加させていただいている筑前飯塚雛の祭りが開かれます。劇場の中に雛人形を飾るのですが、そのときは1ヶ月間公演を入れません。夏には子どもキャンプを行なっています。子どもたちに日本の伝統的なものに触れてもらって、次の世代に引き継いでいってもらいたいということで企画しました。毎年参加したいという方が多いので抽選になるのですが。運営には学生ボランティアを集め、その方々に手伝っていただいています。地元のスーパーの方々にお菓子や食料品をいただくなど協賛をいただいています。秋には全国座長大会が開かれ、座長の商店街を練り歩きを企画しています。冬には毎年市民の皆さんを集めて『第九』をやっています。今年は12月5日に開催します。季節によってさまざまなイベントを企画しています。
 できるだけ多くの人たちに使ってほしいと思っています。伝統的な歌舞伎や大衆演劇を体験してほしい場所として利用し、自分たちも舞台に上がる。新しいものも必要ですが、伝統的なものにも光を当て、大事にしてほしい。そして、これを残していく、という努力は大事ですね。次の世代に引き継いでいかないといけないわけです。ぜひ皆さんも実際に来ていただいて、見て、そして語り継いでいってほしいと思います。

(おわり)

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嘉穂劇場

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