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宮川建設と族議員を結ぶ官僚OB(福岡)
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2009年11月10日 09:11

「宮川建設」(福岡市中央区) 実態不明の政治団体「松原の会」(福岡市南区)の代表であるT氏は、九州地方整備局の課長を最後に退官したあと、大手マリコン「五洋建設」に入社し福岡県港湾建設協会の事務局長を兼任していた。平成11年9月から昨年10月までが、地場マリコン「宮川建設」(福岡市中央区)の副社長である。ただし、正式に取締役となっていたわけではなく、肩書きだけの「名ばかり副社長」だった。T氏に対して最大の待遇を用意したと思われる。

 T氏は、五洋、宮川とマリコンを渡り歩いたことになるが、港湾事業に職務権限を持つ官僚が、請負企業側に天下ることに問題があるのは言うまでもない。さらに、T氏が港湾局長あがりのいわゆる族議員である泉信也参院議員の秘書的存在であったことも問題を複雑にしている。マリコン側が、T氏の元官僚としての人脈と背後に控える族議員の力を利用したといわれても仕方があるまい。

 T氏が政治団体「松原の会」代表であることも不信を増幅させる。同会は福岡市に主たる事務所を置くが、住所地はT氏の自宅である。同会が設立されたのは平成14年だが、同16年には同会に対し泉議員の資金管理団体「篠山会」から200万円が入金されていた。業界団体が金を集めて政治家側に政治資金を提供するのが通常のパターンだが、「松原の会」は逆に政治家側から金をもらっていたのである。平成18年には、自民党県連から100万円の入金があったことも記載されている。活動実態が不明なため、何のために金が動いてきたのかさえ定かではない。

 宮川建設と泉議員を結び付けていたのが元官僚であるT氏である。そしてその延長線上に疑惑の「浚渫工事」が浮上するのである。

疑惑の「浚渫工事」

(つづく)


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