感動がある。物語がある。九州
キャッチフレーズに込められた想い
「観光王国・九州」の実現に向け、九州地域における観光客の受け入れ体制の整備、国内大都市圏や東アジアなど国内外の重要市場をターゲットとした観光客誘致活動など、「九州観光戦略」を実践的かつ着実に展開していくために設立された九州観光推進機構。その会長であり、JR九州相談役でもある田中浩二氏に、九州の観光をさらに盛り上げるための戦略などについて話を聞いた。
「九州観光戦略」の遂行
―まずは九州観光推進機構ができるまでの経緯と役割についてお聞かせください。
田中 九州観光推進機構は2005年4月22日に発足しました。この機構には2つの特徴があります。1つは官民協働だということです。官とは九州7県を指し、民とは144社の民間の会員企業を指します。もう1つは、九州が観光で長期低迷するなかで、現状打破の意味で全国に先駆けて県境を越えた、九州合同の組織としてつくられたことです。
当機構の使命は言うまでもなく、九州の観光を盛り上げること、そして国内外から1人でも多くの観光客に来ていただくことです。
―その使命を果たすためにどのような取り組みをされていますか。
田中 「九州観光戦略」を策定し、活動の指針としています。すでに第1次九州観光戦略が終わり、2008年からスタートした第2次九州観光戦略が始まって1年半が過ぎました。
戦略としては3つあります。1つ目は、九州を観光受地として磨くことです。2つ目は、主として国内の大都市圏からの誘客です。第2次九州観光戦略では、2011年の九州新幹線全線開業を見据えて、広島や岡山など中国地方からの誘客にも努めたいと思っています。3つ目は、九州に来ていただく外国人観光客を増やすことです。主として東アジアがターゲットになりますが、第1次九州観光戦略では韓国、台湾、中国、香港を、第2次九州観光戦略ではこれにタイやシンガポールを加えています。
この3つが基本戦略ですが、一方で国内の宿泊統計のとり方など基礎的なものを整備していくこともあります。これまで、統計については、各県がバラバラの基準で発表していました。ただ、過去12~3年ほど振り返ってみると、外国人が九州に直接上陸する数は確実に把握できますし、九州での宿泊者数なども比較的正確ですから、これらを観光の数値目標として掲げました。
国としても、2008年10月に発足した観光庁がビジットジャパンキャンペーンのなかで、訪日外国人旅行者数を2010年までに1,000万人にするという目標を掲げています。これを九州になおすと100万人になります。
【文・構成:大根田康介】
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