代表交代でさらなるステップアップを
不況の影響がまだまだ続く日本経済。特に建設・不動産業は、金融引き締めもあり、依然厳しい状況が続いている。しかし中小企業のなかには、不況の影響を物ともせず、逆境をバネに好調な業績を維持している会社がある。そのうちの1社が、福岡市南区に本社を置く(株)インベスターズである。同社は2006年に設立された若い会社であるが、売上高はすでに20億円を突破。福岡本社のみならず、名古屋や関東にも事業所を構え、積極的な経営姿勢を見せている。また、同社では当初の計画通り、この10月に古木大咲氏が代表権のある会長となり、新社長に大城崇聡氏が就任した。新社長となった大城氏と古木会長へのインタビューをもとに、同社の躍進の秘訣を探る。
代表取締役社長:大城 崇聡
代表取締役会長:古木 大咲
所在地:福岡市南区向野1-19-27
設 立:2006年1月
資本金:2,200万円
「お客様の方向を向いて、仕事をするために」 全員経営の会社を目指して
2006年に(株)インベスターズが誕生してから、わずか4年足らず。この会社が登場してきたからこそ福岡の木造アパート業界は、良い意味でのユニークでお洒落なアパートが増えてきたといっても過言ではないだろう。それまでのアパートは、どこも同じような造りで、あまり見栄えするものが少なかった。しかし、同社が「同じアパートは造らない」という大きなテーマでアパート建築に取り組んだことで、斬新なアパートが次々と誕生してきている。
同社は現会長である古木大咲氏が、06年1月に設立した投資型の木造アパート販売会社。社歴も若いが、古木氏をはじめ、このたび新社長となった大城崇聡氏やその他年齢の若いスタッフが多いのも同社の特徴である。古木氏は当初から、「全員経営」を念頭に経営を行なってきた。そしてこのたび、「全員経営」の一環として代表交代を実施した。
古木氏は、「全員経営で会社を伸ばしてきた会社はいくつもありますし、社員数を変えずに売上を倍にしている会社もあります。我々も全員経営をするために、数字をオープンにしたり、キャッシュフロー計算書も全員が計算できるようにしたりするなど、いろいろと取り組んできました。また今年に入ってから、大城が全て決裁権を握って会社を経営してきました。おかげさまですごく不景気ではありますが、社員の給与も下がっていませんし、逆に増えています。会社も増益が続いています。これらは、全て大城の決済で行なってきたことで、今後の見通しも立ったので、当初の計画通りに10月1日付で社長交代というかたちになりました」と、今回の社長交代の経緯を語った。
また今後、古木氏は同社の経営のサポートを行なっていく計画であるが、自身は自身で不動産ポータルサイトの運営など、新たなビジネス展開にも積極的に取り組んでいる。
【宮野 秀夫】
*記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら