<「自然農」を学びに多くの若者が集う>
収量増加を目指すでもなく、管理の軽減を目指すでもない。ただ自然のなかに身を置き、その恵みをいただく。そのスタイルが、多くの若者を惹きつけている。現在、30代を中心とした研修生6名の指導をしている。東京や神奈川をはじめ、全国各地から松尾さんの農法を学びに来ているのだ。自然農を実践している人は少ないため、遠方からも松尾さんに指導を仰ぎに来ているのである。これまでに多くの卒業生を生み出した松尾さんのもとに集まる研修生は、元サラリーマンやOLといった、農業と関係のない人たちが大多数だという。
「自然の営みに沿った生活を学びにきているのだと思います」
1年ほど松尾さんのもとで学んだ研修生の8割は、生業としての農業に取り組むという。
松尾さんに、今後の夢を伺った。
「これまでの卒業生たちの農地を訪問することです。遠くはアルゼンチンにも卒業生がいます。今、どんな顔で農業をしているのか、想像すると楽しいですね。少しでも多くの人が、この自然農を通じて命の営みを感じてくれたら幸せです」
松尾さんはこれからも自然農の実践者として、若者の道しるべとなっていくだろう。
【柳 茂嘉】
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