感動がある。物語がある。九州
キャッチフレーズに込められた想い
観光立国を地域レベルで
―九州のなかで、なぜ福岡がこんなに発展してきたのでしょうか。
田中 それは、山陽新幹線が1975年3月に開業して以来34年間、博多駅以南に線が伸びなかったからでしょう。このターミナル効果のインパクトは大きく、その恩恵を一番受けたのが福岡でした。九州新幹線が全線開業すれば、博多は通過駅になりますから鹿児島や熊本が脚光を浴びてくるでしょうし、福岡もうかうかできないと思います。ただ、アジアのゲートウェイという点では、博多港や福岡空港などがあるように、やはり福岡がその役割を担っており、観光で発展していく余地はまだまだあると思っています。
また、小泉政権は今となってはいろいろと言われていますが、その功績だと思うのは、ビジットジャパンキャンペーンを打ち出したことです。新政権でも、観光立国は国レベルでは確立しています。それを地域に落としこみながら推進していかなければなりません。
―国レベルで進められている観光振興政策を、九州で推し進めていくのが貴機構の役割というわけですね。
田中 広域で官民協働のもと観光を推進する組織の第1号として、当機構がモデルとなり、同様の組織が日本全国に7つできました。
当機構が設立されて4年半経ちましたが、確かに観光業界は苦しい状況になりました。しかし、1年半後の九州新幹線が開業するころは、第3次九州観光戦略を実行する年です。次の展開をそろそろ考えなければならない時期にさしかかっています。
国も新しい観光の基本政策をつくっています。それに追従する必要はありませんが、来年の12月までには新しい観光戦略を考える必要があるでしょう。
我々の目的は1つです。国の内外から九州にたくさんの人に来てもらい、喜んで帰っていただきリピーターになってもらう。これこそが、これからの九州とって大切なことだと思います。
【文・構成:大根田康介】
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九州観光推進機構
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