感動がある。物語がある。九州
キャッチフレーズに込められた想い
誇るべき5つの九州の魅力
―日本が観光大国になるためには、まだやるべきことがたくさんありますね。
田中 日本はまだまだ観光小国です。この前スイスに行きましたが、人口750万人に対して850万人以上の外国人が来ています。日本は1億2,000万人に対して835万人ということで、両国ではまったく違います。観光大国になるためには、まず外国人観光客に多く来てもらうことが重要です。日本の観光客よりも消費活動が大きいということが統計結果にもでておりますから。
これからは定住人口が減っていくため、それを交流人口で補う。観光立国の確立は国だけでなく、福岡にとっても大切なことだと思います。
―他の観光団体と連携は。
田中 もちろん、九州にも観光プロモーション団体はたくさんあります。県では観光連盟、市町村では観光協会やコンベンション団体などですが、私たちはそうしたところと競合するつもりはなく、九州7県が1つとなって活動するほうが効果的なことだけをやっていきます。たとえば、海外で観光フェアがあった場合、九州が一体となって出展するほうがより大きな効果がありますから。
我々の第1の目的は、とにかくたくさんのお客さまに九州に来ていただくことです。一例をあげると、「感動がある。物語がある。九州」というキャッチフレーズのもと、当機構の設立から3年間で約150ものテーマ型広域観光ルートをつくり商品化してきました。
―たしかに、観光にはテーマやストーリー性が欠かせないと思います。加えて、九州においては食が観光素材として充実していると思います。
田中 食というのは、旅の魅力を左右すると思います。九州各県には特色のある食べ物がありますが、その歴史などを知ってもらうことで、よりおいしさが増すと思います。もてなす側も、料理についての歴史や物語を説明できることが大切です。
九州のおもてなし度は全国と比較して、各県とも上位にありますが、私はまだまだ磨かなければならない部分が多いと思います。おもてなしの心というのは非常に大事です。やはり、観光は人と人の出会いでもあり、良い思い出を持って帰ってもらわなければなりませんから。
また、九州には阿蘇山、九十九島、桜島などのすばらしい自然があります。さらに、別府や湯布院、黒川など人間が知恵を出し、地域おこしの結果、多くの人が訪れるようになった温泉地に代表されるように、温泉王国でもあります。そして、歴史・文化・物語はもちろんですが、最後にやはり九州人のあたたかさというか、おもてなしの心ですね。この5つは九州の魅力として存分に語って良いと思います。
【文・構成:大根田康介】
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