ダンピングや受注競争の熾烈化によって懸念されるのは、質の低下である。大手、地場含めて各々に得意分野があるが、得手不得手に関係なく受注に乗り出す企業が増えている。ノウハウの少ない仕事をすれば、完成度は低くなる。高級ブランド店のように特に質が求められる仕事であれば、なおさらだ。技術力を看板とする企業が多い業界だけに、質の低下は致命的な問題ともなりかねない。各社、一線を引くべきところは引くという考えにシフトしていかなければ、業界はさらに衰退するのではなかろうか。
(つづく)
【楢崎 賢治】
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