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特別取材

支援国主導ではなく、住民が参加する新しい援助のかたち(2)
特別取材
2009年11月19日 11:41

国連ハビタット福岡本部インタビュー

国連ハビタットの活動とは
パキスタン地震での援助
 ―具体的にはどのような活動をされていますか。

 星野 例えばパキスタンでは2005年に大規模な地震が起きましたが、車が入れない山間部での被害も大きかったので、被災者自身が建てられるような丈夫な、それでいて持ち運びの便利な簡易住宅を普及しました。彼らは山岳の遊牧民族ですから、定住型の家を造ったとしても生活スタイルに適さないわけですね。そこで、自分たちで組み立てられるようなものを作りました。これは大変好評でした。

 また、日本政府からも支援資金をいただきましたので、顔の見える援助ということで、日本の国旗を貼っています。病院などの大きな施設を造る際にはもっと大きな看板を造ることもあります。もちろん地元の皆さんは日本の支援で造られたことを知っています。

 ―イラクでも活動されているようですが。

 星野 イラクでは、6都市で特に教育機関やインフラを修復し、バグダッドでは、爆撃された大学をなるべく忠実な形で修復しました。また、サマワは自衛隊が駐留していた地域でしたが、もともと南部の小さな都市で、そんなに戦争の被害はひどくはなかったのですが、インフラ整備も不十分でしたので、そこで支援を行ないました。

 ―国連や日本政府からの基金だけでなく、一般の方々からの募金を受けて支援することもありますか。
スリランカの福岡村
 星野 スマトラ津波災害ののち、スリランカでは、福岡の皆さんを中心とした募金をいただき、まちの復興作業を行ないました。それを知ったスリランカの皆さんが復興支援でつくられた村を「福岡村」と名付けました。

 昨年からは一般市民向けの「いのちの水プロジェクト」を始めています。これは、皆さんからの募金で、清潔で安全な水が飲める環境をつくるというプロジェクトです。たとえば、17,000円あれば、汚物がそのまま地下に浸透しないエコトイレが1基設置できます。5,000円あれば、井戸ポンプが1台設置できるなど、募金をいただく際のひとつの目安にすることで、市民の皆さんにご理解を促すというものです。そして、集まったお金でコミュニティで共有できるような井戸を掘る、モンゴルのような井戸を掘ることができない寒い地域では水の販売場所を設置するなど、水が飲めるような整備を行なっています。

(つづく)

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