介護施設での身体拘束は、人権擁護の観点から問題があるだけでなく、高齢者の生活の質を根本から損なってしまう大きな問題である。身体拘束によって高齢者の身体機能は低下し、寝たきりにつながるおそれがある。また、人間としての尊厳も侵され、ときには死期を早めるケースもあるという。
福岡県での身体拘束の現状はどうなのか。2008年に県の保健医療介護部高齢者支援課が行なったアンケートによると、1,700施設あるという高齢者介護施設のうち、「やむをえない」場合のための身体拘束があると回答した施設は44.5%。01年度の58.4%と比べ08年度は13.9%減少している。身体拘束廃止に向けた取り組みをみると、施設内研修の推移は01年度の調査73.2%、08年度74.2%と横ばいだが、委員会を設置した施設は01年度の33.8%から67.1%と33.3%と飛躍的に延びている。今後の取り組みが期待される。
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