運営をめぐり、数々の不適切な公費支出が明らかとなった『福岡アジア文化賞』だが、受賞者が知れば同賞を返上したくなるような選考過程が見えてきた。
「1名だけ候補として挙げておっても、それは来れない場合もあるわけです」。
「来れない可能性の方もいらっしゃいますから、+2名で順番をつけていただきたい・・・」。
「その順番に当たっていって、当然1番の方が受けていただけるということになれば・・・」。
これは、今年2月に開かれた「アジア文化賞審査委員会」の議事録である。
来れない人がいれば、その人はダメで、2位以下の受賞者候補者の順番を繰り上げる。だから+2名選んでくれ(合計3名)。順番に受賞を打診に行って「受賞式に来る」と言った人が大賞になるというのだ。これがアジア文化賞の大賞受賞者の決定方法である。
当然、大賞受賞者の受賞分野によって、「芸術・文化賞」と「学術研究賞」の順番も変わることになる。安易というより受賞者への敬意を否定する選定方法ではないだろうか。さらに議事録を読み進むと、同賞の「軽さ」を思い知らされるような記述がつづく。議事録を読んで、同賞へ共感する市民は少ないだろう。
次週は、同議事録について検証していく。
【市政取材班】
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