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特別取材

転機迎えたハウステンボス経営 期待されるHIS主導の再建(1)
特別取材
2009年11月24日 10:40

 11月14日、長崎県佐世保市のハウステンボス(以下、HTB)の再建問題で、大手旅行業で東証1部上場のエイチ・アイ・エス(以下、HIS)がスポンサー候補として挙がったことを報じた。時を同じくして、福岡の主要企業が再建への複数シナリオをまとめた。野村プリンシパルファイナンス(以下、野村PF)による経営が転機を迎えている今、これまでの経緯を振り返りながら現在の状況について整理する。

HIS支援は天恵か

 これまで、「会社更生計画認定から6年余 混迷続けるHTBの行方」(弊誌2009年7月23日号)、「野村PFと福岡経済界の溝 HTBの行く末は」(同10月4日号)と題してHTBをめぐる動向や問題点について検証してきた。もっとも主張したかったのは、「破産で負債をゼロにして身軽になり、野村PFから離れて一から再建してはどうか」ということだった。
 
 今年9月、野村PFはビジネスホテル再生を専門に手掛けるホテルマネージメントインターナショナル(以下、HMI)に支援を打診していたが、10月6日に交渉が打ち切られた。野村PF、HMI、佐世保市のトップで交渉が行なわれ、HMIは出資条件として、佐世保市に土地・建物の公有化を要求していたが、市は代案として奨励金の5年間交付による固定資産税相当額の相殺などを提案。背景には、HMIについての情報が少なくリスクが不透明だったことなどがあった。

 野村PFと福岡経済界の溝、佐世保市とHMIの溝。この2つの溝が埋まらないままもはや打つ手がなくなった野村PFは、今後の判断を福岡経済界に丸投げして傍観の姿勢へと転身した。そこで、やむなくというべきか、ようやくというべきか、福岡の主要7企業(九電、九電工、西鉄、JR九州、西部ガス、福岡地所、コカ・コーラウエスト)からなる支援検討チームが動きだした。

 とは言え、追加の出資に関しては消極的で、11月中旬までに再建計画が出される予定だったが、「すでに破産を前提に事が進んでいる。野村PFも観念したと聞く」という関係者もいたほどだ。

 そこに転がり込んできたHISによる支援話。再建を望むものにとっては、天恵に浴する思いだったかもしれない。ただ、裏を返せば、福岡経済界だけでの支援は難しいという結論だったようにうかがえ、地場の力だけで支えきれないのは残念である。しかし、いずれにせよ、HTBには九州観光の要としての姿を早く取り戻してほしいと願う人が多いこともたしかだ。

~つづく~

【大根田康介】


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