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点から面にしていく
—博多の町は港を通じて発展してきました。
西川 福岡市は数年前に釜山港や上海港と3港協力を始めましたが、一番弱いのはやっぱり博多港ですよね。釜山港はハブ港として、上海は世界の国際港として活動しています。博多の町は港から発達してきましたから、もっと港に力を入れてほしい。博多の町は大陸から風が吹き込む、古くから風水学的に良い町だそうです。2回ほど焼け野原になりましたが、必ず復興してきたのが博多です。
おもしろいのは、博多区の狭い地域のなかに博多港、JR博多駅、福岡空港の3つがある、こんな都市は他に知りません。この利点をもっと活用できることを考えてほしいですね。
—同じく港を通じて発展した都市として長崎があります。ハウステンボスが苦戦しているようですが、どのように感じられますか。
西川 何でもつくるのは簡単ですが、それを維持し発展させるのが難しいということですよね。点だけではダメで、線になり、面になっていくことが必要です。長崎は深い歴史文化を持つ広がりのある土地なのに、ハウステンボスは点で動いている感じがします。
先日、ディズニーランドに行きましたが、何が良いかと言うと、子どもたちが喜び、その子たちが大人になり、デートし、家庭を持ち、さらにおじいちゃん、おばあちゃんになっていきます。全年齢対象だからディズニーランドは生き残れるのでしょうし、魅力的なキャラクターがあり、次々と新しいことをしています。ハウステンボスもやはり、あらゆる年代に合うようにしてほしいですね。どうすれば子どもたちにアピールできるかが必要です。
ある人に言わせれば、お年寄り向け滞在型という考えもあるようですが、私はやはり未来を背負う子どもがいなければ将来がないと思います。子どもを育てる意識が必要です。たとえば博多座も、学生を招待するなどして子どもを育てていこうとしています。高齢化社会のなか、私たちが子どもたちを育てていかなければなりません。
私は長崎が好きです。ハウステンボスは長崎の他の観光地と一体化する必要があります。プラス、お宝をいっぱい持っている長崎の港町の歴史を知り、原爆を知り、点を線にし、面にしていくことが大事です。
文・構成:大根田康介
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