福岡市南区に主たる事務所を置く『松原の会』という政治団体が存在する。全国団体として総務省に届出がなされているが、活動実態は不明である。
同会の代表者は、九州地方整備局(以下、九地整)の課長を退官した後、福岡県港湾建設協会の事務局長や地場マリコン「宮川建設」の副社長を務めた人物。会計責任者は福岡の建設コンサルタント会社社長である。
収支報告書などで確認したところ、同会が設立された平成16年から現在まで、代表者や会計責任者などは変更されていないが、事務担当者として記されているのは、和歌山の建設会社「淺川組」の九州営業所長であることも明らかとなった。
『松原の会』が、自民党の泉信也参議院議員の関連団体であることも判明している。
実は、これまで報じてきた博多港(須崎ふ頭)で着工が1年遅れた浚渫工事は、この『松原の会』と奇妙につながる。建設業界で面々と続いてきた政・官・業の関係を検証する。