政治団体『松原の会』の代表者は、かつて九州地方整備局の課長だった人物である。退官後、大手マリコン「五洋建設」に勤務しながら福岡県港湾建設協会の事務局長を務めていたが、1999年9月に、福岡市に本社を置く地場マリコン「宮川建設株式会社」の副社長に就任する。
『松原の会』設立は2002年11月で、現在まで代表者が変更されたことは一度もない。会計責任者である地場の建設コンサルタント社長も設立当時からのままである。同会代表者は「宮川建設」の副社長と政治団体代表を兼務していたことになるが、関係者の証言から同代表の別の顔が見えてくる。同代表は、自民党の泉信也参議院議員の秘書的な存在だったというのである。
代表者本人に確認したところ、泉氏の政治活動を熱心に支援してきたことは認めているが、秘書ではないという。泉参院議員も、『松原の会』代表者が熱心な支援者だとする。しかし、ある自民党関係者は「あの人は泉さんの秘書」と断言する。確かに、泉議員が福岡入りした折、同議員に付き添う同会代表者の姿を取材班も確認している。泉議員は運輸省(現・国土交通省)の官僚出身。松原の会代表者とは同じ役人仲間だったということだ。役人同士の関係だけなら問題にならないが、代表者が地場マリコンの副社長という地位についていることで疑念が生じる。
泉議員が福岡に来るたびに、宮川建設の車を供用し、副社長が泉氏の秘書的な仕事をしていたのなら、政治家と業者の癒着と見られても仕方があるまい。
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