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【阿久根市長特別インタビュー】競争しあう社会から、弱者重視の慈しみあう社会へ(上)
特別取材
2009年11月12日 10:30

阿久根市長 竹原 信一 氏
阿久根市長 竹原 信一 氏

 ブログ市長として全国的に知られる竹原信一・阿久根市長。市職員の懲戒免職裁判を含め3件の裁判を抱えており、さきごろ地裁の判断が示された。竹原市長に現状と見通しを聞くなかで、竹原市長の行動がひとつの哲学から成り立っていることが見えてきた。

市職労vs.市長「癒着の構造」

 ―10月23日に市職員労働組合事務所使用について判決が下りましたが、それについてどのようにお考えですか。

 竹原 根っこにあるものは地方公務員法です。地方公務員法のなかで、職員団体を認めています。それに対抗するものとして、管理職員というものがあります。一般の課長は自治労と対抗するものの、実際は癒着しています。司法・行政が全部癒着しているわけです。ですから、管理職から降格されても、職員団体からの応援を受けて元に戻ろうとする人も出てくるわけです。これは、人事院も含めあらゆる公務員が関係するところが、全部同じ構造にはまっているからです。
 私の周りは全部そうですから、市長は使える兵隊を持てません。退職金や給与も、職員団体の後押しによって支えられて、どんどん上がり放題だったのです。構造的な制度の欠陥が、今までのお役所を作り上げています。公務員の世界はすべてそうです。
 裁判に関しては、これ以外に2件抱えていますが、私は勝っても負けても勝ちだと考えています。裁判所という権力は、決して市民のためには存在していないということが明らかになるわけですから

 ―ある種モンスターのようなところに手を出しているわけですが、なかなか、市長お一人の力で解決できる問題ではないと思いますが。

 竹原 私は淡々と、するべきことをしているだけで、「裸の王様」に向かって「ああ、あの人は裸だ」と言っているだけですよ。これまで、それを言う必要がなかったのに言い始めたから、大人たちがおかしいと言い出しただけです。私のやっていることはシンプルです。皆さんが考えすぎるから難しく見えるのです。

 ―シンプルであるがゆえに、逆に市長の戦いがわかりにくくなっているようにも思いますが。

 竹原 戦いという感覚はありません。自分を守るためにやっているだけです。居場所がありませんから。そこに私がやらなければいけないことがあり、たまたま私がやっているだけです。しなければいけないことをして、してはいけないことはしない、それだけです。

(つづく)

▼関連リンク
 竹原信一市長ブログ


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