宮川建設株式会社(福岡市中央区)と淺川組九州営業所(北九州市小倉南区)で構成される「宮川・淺川経常建設共同企業体」が受注した、九州地方整備局発注の『博多港(須崎ふ頭地区)泊地(-12m)浚渫工事(第2次)』。落札価格は4億2,710万円だが、『総合評価』による評価値は38.6326となっている。『総合評価』の問題点については稿を改めるて詳述するが、まずは同工事の入札結果への疑問である。
同工事の予定価格は5億540万円。調査基準価格(最低入札価格)が4億2,553万1,000円となっている。入札金額が調査基準価格を下回った場合、建設業界で言うところの『ドボン』、つまり失格となる。同工事の場合、「博多港管理」(福岡市中央区)が基準価格を下回ったため失格となっている。国土交通省の発注工事のうち『標準型総合評価落札方式』によって落札業者が決められる工事については「調査基準価格」と呼ばれる最低入札価格が分かりにくくなっている。役所(同工事については九州地方整備局)側が、積算書に基づく直接工事費や、共通仮説費、現場管理費、一般管理費などを計算し、それぞれの数字に10分の9.5、10分の9、10分の6、10分の3を乗じたものを合計。さらに100分の105を乗じた数字を予定価格で除して得た割合を入札予定価格に乗じたものが「調査基準価格」になるのだという。実に複雑だ。
「調査基準価格」を知り得た業者が有利になるのは当たり前だが、ここで宮川建設の副社長(当時)だったT氏の存在が浮上する。T氏は報じてきたとおり、元九州地方整備局の課長なのである。しかも、港湾族の大物・泉信也参議院議員という後ろ盾がある。九州地方整備局側の情報を入手するルートが存在したことになる。
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