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【特集:「観光立国・九州」へ】博多石焼 大阪屋社長 西川ともゑ氏(5)
特別取材
2009年12月 1日 08:00

博多石焼 大阪屋社長 西川ともゑ氏
伝えたい、日本の文化
楽しんでもらいたい、日本の食

九州を1つに

 —今回の特集のメインテーマである「道州制」についてはどうお考えですか。

 西川 以前、JR九州の唐池恒二社長も言われていましたが、経済的には博多と天神の争いではなく、九州と東京や北海道との戦いになっているということでした。その意味で、私は、沖縄はありますが九州が1つの島だということはとても大切だと思います。福岡オリンピック構想にしても、九州が一体となって取り組んでほしかったですね。オリンピックは市(city)が手を挙げなければならないため、やむなく福岡市だけになったという経緯はあるのでしょうが。

 九州を一体として見れば、熊本の熊本城や宮崎の飫肥城など、良いところはたくさんあります。また、九州の宝は温泉だと思います。中国などからたくさん観光客が来て博多で家電製品やブランド品などを買って行かれますが、それだけではさびしいですよね。寺社仏閣や食べ物などの良いものがありますから、本当の日本文化を見てほしいです。

 —西川社長のお話しは、いろいろな旅を経験されたうえでの意見ですので、非常の的を射ていると思います。

 西川 統計のもとにこうしたことを話される経済界のトップの方もいますが、本当に自分の足でそこに行きましたかと聞きたいですね。そういう経験をされましたかと。自分の足で歩いてみなければいけません。

 学生のころ、私は九州を1周しました。そのなかで素晴らしい場所をたくさん見てきましたが、地方では、まだアピールが不足しているのだと思います。観光地という以前に、何の産業があるのだろうかと常に思います。

 また、私は旅館に行くとき、だいたい古いところに泊まります。ただ、そういうところは廊下が長くお年寄り向きではないですよね。また、ホテルにしても広すぎるところは歩くのが大変です。だから、事前に年齢を聞いて、高齢者にはできるだけエレベーターに近い部屋をとっていただくのが良いですね。そうした心遣いが大きなホテルには必要だと思います。

 それと、修学旅行というのはとっても良い勉強になると思います。海外に行くのは、家族旅行でも大人になってからでも行けます。やはり大切な成長期に、日本の文化や歴史を子どもたちに見せて肌で教えてほしいですね。

(つづく)

文・構成:大根田康介


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