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【特集:「観光立国・九州」へ】博多石焼 大阪屋社長 西川ともゑ氏(6)
特別取材
2009年12月 2日 07:58

博多石焼 大阪屋社長 西川ともゑ氏
伝えたい、日本の文化
楽しんでもらいたい、日本の食

世代交代のなかで

 —少子高齢化のなか、人の流れはどうなると思いますか。

 西川 30年後、日本は人口が3分の1減ると言われています。そうなれば、みんな都会に来るようになるでしょう。いまは郊外志向が強いですが、子どもの教育にとっては都心部が便利です。子どもが小さいうちは「うさぎ追いしかの山、小ぶな釣りしかの川」でも良いのかもしれませんが、習い事を始めようとしたとき、やはり郊外では何かと不便です。

 人が集まれば活気も出てきますし、いろいろな人と出会います。政治の世界は一寸先は闇ですが、日本の人口に関しては減少すると先が読めています。そのなかで都市回帰が始まるでしょう。お年寄りになれば鍵1つで出かけられる住みやすいマンションがあり、買い物は歩いて行ける商店町やデパ地下で良いと思います。広大なアメリカと違って何も郊外のショッピングセンターで1週間分買いだめする必要はありませんから。

 —その意味で、観光地で働く人たちは世代交代の大きな流れも視野に入れておく必要がありますね。

 西川 コンクリートの建物は40年〜50年しかもちません。前の博多駅ビルもたった45年しか経っていません。私は建築物が好きで、ニューヨークなんかではセントラルパークのところに100年経ったマンションがあります。当店は建て替えてから21年目になりますが、頑丈につくっていただいて20年経ってようやく内装に手を加えました。

 企業30年説というのがありますが、自分の企業を次世代の人に受け継いでいくことが大事です。ですから、リニューアルオープンした当店のイメージを伝えるホームページやパンフレット作成、テイクアウト商品などは息子と娘に任せました。苦労しなければ次の発展はありません。

 当店も次世代へ引き継いでいかなければなりませんが、なぜ子どもたちが帰ってきてくれたかというと、博多にはお祭りがあったからです。私が会長を務める「博多ごりょんさん・女性の会」では、そうした子どもたちが帰って来たくなる、次世代が住みたくなる町づくりに取り組んでいます。

(了)

文・構成:大根田康介


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