ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

社会

国交省直轄工事 工期1年延長の裏
社会
2009年12月 2日 08:07

 昨年10月、国土交通省九州地方整備局が発注した博多湾内の航路浚渫工事『博多港(須崎ふ頭地区)泊地(-12m)浚渫工事(第2次)』は、約1年近く工事開始が遅れた。本稿から、その真相に迫るシリーズに入るが、まずはこれまでの問題点を整理しておきたい。

 同工事をめぐっては、落札・受注した「宮川・淺川経常建設共同企業体」を構成する宮川建設(福岡市)の副社長(当時)と淺川組九州営業所(北九州市小倉南区)の所長が、自民党港湾族の大物・泉信也参院議員の関連政治団体「松原の会」の代表と事務担当を務めていることが明らかになっている。さらには入札当時、肩書きだけとはいえ宮川建設の副社長だった人物が、九州地方整備局のOB(課長で退職)だったことや、事実上、泉議員の秘書的役割を果たしていたことも判明した。典型的な政・官・業の癒着構図と言えよう。

 次に、国交省の入札方法に関する問題点も浮上した。同省発注の工事は、「総合評価方式」と呼ばれる入札方式を採用しているが、応札業者の工事内容に点数を付けるのは同省の役人。また「調査基準価格」(最低入札価格)も役人の掌中にある。どちらも役人のさじ加減ひとつであり、建設業界からの不信の声は少なくない。役人OBや政治家に数字を漏らす可能性が高いと見られているからだ。

 実は、問題の『博多港(須崎ふ頭地区)泊地(-12m)浚渫工事(第2次)』が、1年近く工期を延長せざるを得なかった背景には、以上の問題点が複雑に絡み合っている。報じてきたとおり、同工事は関係漁協からのクレームによって工事が止められた。航路浚渫という重要な国の工事が、漁協の申し入れで止まった上、1年もの間、巨額の税金を眠らせたのである。しかも、漁協側から公式な申し入れ文書などは提出されていない。なんと口頭でのクレームだけで工事が止められていたのだ。九州地方整備局をはじめ、関係漁協などにも話を聞いたが、納得できる回答は得られなかった。

 九州地方整備局に対し、公文書公開請求をして入手した同工事の工期延長に関する漁協側との記録は、たった1枚の文書しか存在していない(下記参照)。国の工事が止められたというのに公式な記録さえ残されていないということになる。明日からはこの文書について検証し、不適切な港湾事業の実態を白日の下に晒す。

博多港泊地浚渫工事の漁協との打合せ記録


*記事へのご意見はこちら


※記事へのご意見はこちら

社会一覧
日本国家"根源的変革"の処方箋シリーズ
2012年11月25日 07:00
日本国家"根源的変革"の処方箋シリーズ
2012年11月24日 07:00
日本国家"根源的変革"の処方箋シリーズ
2012年11月23日 07:00
日本国家"根源的変革"の処方箋シリーズ
2012年11月22日 16:42
「自爆民主党解散」シリーズ
2012年11月21日 15:20
イベント情報
2012年11月19日 14:00
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル