12月の県議会定例会に提出された事業費の概要を見ると、「先端社会システム実証研究センター(仮称)整備費」とある。このセンターとはどういうものなのか。
これは県が進めている「シリコンシーベルト福岡プロジェクト」の一つである。このセンターは、特定のシステムをひとつのチップに組み込んだ高性能LSI(大規模集積回路)の開発拠点を構築するものである。
シリコンシーベルトとは、韓国から九州、中国、台湾、香港、シンガポール等に至るベルト地帯をさす。この地域には多くの半導体関連の企業・大学・研究機関が集積されており、世界の半導体生産の約50%を担っている。
また、九州には約60もの半導体生産工場が稼動しており、シリコンアイランドと呼ばれてきたが、現在、メモリなどの汎用品生産工場は、中国や台湾などのアジア諸国へのシフトしていくと予想される。九州はシリコンの生産ではなく、設計・開発拠点として移行していく必要があり、そのプロジェクトの一貫として先端社会システム実証研究センター(仮称)の建設が予定されている。
今回の定例会で承認されれば、来年2010年中にも竣工されるという。竣工場所は前原市に計画されている。
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