国土交通省九州地方整備局が公文書として開示した文書(添付文書参照)は、昨年10月に同局が発注した『博多港(須崎ふ頭地区)泊地(-12m)浚渫工事(第2次)』の工期が1年近く延長された経過を示す唯一の証拠書類である。残念ながら『誰が』、『誰と』話したのかさえ分からない、不十分な記録でしかないが、記述からはいくつかの疑問点が浮かび上がる。
昨日報じたとおり、昨年10月29日、何故か九地整側は市漁協の『博多湾漁業管理委員会』に決定した施工業者を通知する。工事の説明ならいざ知らず、施工業者を通知する義務などないはずだ。
さらに、同日には管理委員会側から電話を受け《整備局に話があるので会いに来るように依頼を受ける》とある。国の機関が漁協に呼び出されたのである。のこのこと出かけて行ったらしく、さらに同日の記述には《今年は昨年と比べ『あなご』や『手長タコ』の稚魚が結構発生している。この状況で、浚渫工事をされると濁りで、稚魚が死んでしまう恐れがある》と組合員から話が出ている。《『浚渫工事の実施を春までは見合わせてもらいたい』との話を受ける》とある。
翌30日には《打開策がないか相談する》が、管理委員会の委員長から、《国が各支所と話をして貰うしかない》と素気無く追い返されている。
この段階で、事実上、工事の着工が止められているのである。
記録では11月6日までの1週間、何の動きもない。しかし、この間、九地整側と漁協との間に何もなかったとは考えられない。明らかに経過が省かれている。
ところで、漁協側が工事中止の理由とした『あなご』や『手長タコ』の稚魚については、どれほどの根拠があるのだろう。漁協側に確認取材したところ、博多湾漁業権管理委員会の委員長は、「証明するデータはない」と明言した。ただし、市漁協の組合長は「平成19年の暮れ頃、あなごやタコの稚魚が育っているとの話が寄せられていた」と言う。さらに、「平成19年はどうしようもない不漁で、稚魚に期待した。稚魚が育つまで6~7か月」と明確に答えている。この話が本当なら、さらなる疑問が生じる。
(つづく)
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