4日、福岡、熊本、佐賀の3県警の合同捜査本部は、福岡県田川市の産業廃棄物収集運搬業「九州エコテック」、同処理業「サンクス」の社長を務める中村泰三容疑者(66)を、廃棄物処理法違反(不法投棄)の疑いで逮捕した。
中村容疑者には、昨年10月従業員らと共謀し、田川市内の自己所有地などに汚泥68.4トンと廃プラスチック2.4トンなど計70.8トンを不法に投棄していた疑いが持たれている。
「九州エコテック」「サンクス」の両社は今年6月、熊本県内の牧場などに汚泥を不法投棄したとして家宅捜査を受けており、捜査の過程で田川市内での不法投棄が判明したものと見られる。今後、熊本県内での不法投棄をはじめ、余罪が追及される見込み。
産廃行政を所管する福岡県は、先月のデータマックスの取材に対し、「サンクス」などによる田川市内での不法投棄を認め、撤去の行政指導を行ったと答えていた。産廃業界関係者の話によれば、「サンクス」「九州エコテック」などによる汚泥の不法投棄は、判明しているものの他にもまだあるという。
県は、今年6月の「サンクス」などへの家宅捜索後、不法投棄された汚泥などの撤去を指導しただけで、営業を止めるなどの処分は行っていなかった。今回の社長逮捕までの間、新たな不法投棄を許した可能性もあり、県の産廃行政の不適切さを問う声が上がりそうだ。
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