7日の民主党福岡県連パーティーにゲストで招かれた蓮訪参院議員がスピーチを行った。
蓮訪議員は、「この一ヶ月間の事業仕分けですっかり気の強い女として定着してしまった」と周囲の笑いを誘った後、何のために事業仕分けをしたのか、その理由について次のように語った。「去年に比べ、税収は9兆円減少すると言われている。これまでに前政権が積み重ねた借金は800兆円を超えた。この国の税金の使い方を変えたい。年金を削る前に天下りを削り、中央省庁への予算ではなく地方主権にお金を使いたい。税金の使い方。その1点を私たちは訴えてきた」「政権交代を実現させていただき、お金の使い方を変える事業仕分けをやらせてもらった。そして、この国の税金の使い方が野放図であることを目の当たりにし、愕然とした」。
さらに、「本来であれば、都道府県に直接お話をすればいいような事業が中間の公益法人を経由し、天下り団体に毎年20億円の運営交付金が支払われている。この運営交付金を事業に上乗せすれば同じ仕事を倍のお金、40億円でできるという事実を私たちは事業仕分けを通じて指摘した」とも述べた。
最後に「公金だから、税金だから自分の腹は痛くないという理由で、予算がどんどん水膨れし、気がつけば借金の山になっている。新しい公共を作る、これまでの補助金ではなく、頑張っている人、団体、地域、地方自治体を国が支えるという、新しい税金の作り方を事業仕分けで提言させていただきたい」と結んだ。
事業仕分けには、国民に税金の無駄遣いの実態を知らせる効果があったことは認める。しかし、蓮訪議員の話には、科学技術や教育予算を無定見に削ったことへの反省など微塵もなかった。国家ビジョンなき予算策定に、どれほどの意味があるのか、考えさせられるスピーチだった。
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