近年、「クラウドコンピューティング」あるいは「クラウド」という言葉をよく耳にするようになった。「クラウドコンピューティング」とは、次世代のコンピューティングモデルであり、現在のコンピュータ活用の最終形になるとも言われている。
従来はクライアント(個別パソコン)側でハードウェア、ソフトウェア、データなどを個別に保有・管理していたが、クラウドコンピューティングでは、ネットワーク(とくにインターネット)の向こう側にそれらがサービスとして準備され、そのサービスを無料、有料で使用するかたちとなる。
クラウドコンピューティングが実現することで、インターネットを通じて世界中どこからでも自分の情報にアクセスすることができ、動画や写真などを共有することができるようになる。
個別パソコンは、インターネットに接続できる環境さえあれば、業務や作業(コンピュータ処理)を行なうことができるため、近い将来、パソコンは表示・操作するだけの「箱」になるかもしれない。
分かりやすいところで言えば、実質的にそのサービスを展開しているのがGoogleである。
メールソフト(gmail)、Googleマップ、写真連動のストリートビュー、ホームページ管理ツールなどを無料でサービス展開しているが、すべての情報はGoogle側のサーバーに納められている。サービスの利用者は、個別パソコン側の機能ではなく、サーバー側にある機能を活用しているだけなのである。
この構想の実現には、必要なソフトウェアやデータをすべて保管するための巨大なサーバー群と、莫大な量のデータ通信を行なうための回線が必要となる。クラウドコンピューティングモデルの実施、浸透が何年後になるのかは分からないが、インターネットが一般に普及しはじめて10年余りで、その構想実現に必要なインフラが整ったということだろう。
クラウドコンピューティング実施による課題としては、独自のシステムとは違い、任意のカスタマイズ対応ができないことが挙げられる。提供されるサービス内容にもよるが、カスタマイズなどの変更対応は提供企業側のサーバーに委ねられるため拒否されることが想定され、個別の運用を行なっている企業にとっては導入するかどうか慎重な検討が必要となる。
ネットワーク環境のないところでは作業ができないことも課題のひとつであろう。災害時などにおける電源供給などの問題も出てくるが、その際には、簡易機器としてモバイル端末が大きな役割を果たす。
また、提供企業によるサービス停止の場合の利用者データの取り扱いの問題や、個人情報を多く取り扱うことによるセキュリティ面での問題解消が重要となるなど、クラウドコンピューティングが普及する過程において、解消すべき課題は多く考えられる。
一方で、これまでクライアントサーバーモデルを商売としていた企業にとって、クラウド化の普及・浸透はひとつの転機となる。次世代で生き残るための提供サービスの開発を、早急に、かつ本気で進めていく時期にきていると言えよう。
*記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら