市民の目線、市民の理解・納得できる行政を
農政への思い
-市長はこれまで農政畑で長い間ご活躍されていましたが、その経験を活かした取り組みを考えられていますか。
中村 筑後市の場合は、水田を全部ほ場整備をしていますので、日本全国を見てもこれだけ整備された美田はないと思います。私が県職員時代の米担当課長のときに、福岡県産米「夢つくし」のブランド化を担当したのですが、その経験を活かし、筑後市の特産品であるイチゴやなすの販売をJAとタイアップしてやっていきたいですね。
また、農業と食育は一つのものと考えており、副市長時代には食育推進条例を作りました。食育を農業、健康、こどもの教育問題として、進めていきたいと考えています。子どもはもちろん、大人でも食べ物を粗末にする人はいますし、単に食育を健康問題や環境問題に絡ませるのではなく、総合的に食育を通して農業を見ていこうと考えています。食の大事さを市民と一緒に考え、農業の現状と難しさを考える場所を作りたいですね。
また、市では地産地消推進協議会を作りまして、筑後市産のものを学校給食に出していくなど、地産地消も進めています。
今、農業問題は先が見えないところがありまして、一番難しいと感じています。というのは、水田地帯は米麦大豆というのが基幹作物ですが、コストを下げるためにいろいろな努力をしています。市では、生産組織を法人化するなど、集団で農作業を行なうという仕組みを作りました。しかし、コストは下がったのですが、それ以上に販売農産物の価格が下がってしまい、所得が上がらなくなってしまいました。私は農業を筑後市の活性化の一つの柱にしたいのですが、政権交代で国の方針が定まっておらず。戸別補償にしてもきちんとした方針が見えません。筑後を元気に、というスローガンを持っていますが、なかなかこれだといえる手段を見出していません。
(つづく)
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