8日に行なわれた県議会定例会で、県による福岡女子大(福岡市東区香住ヶ丘)改革に伴い、香椎幼稚園が閉園する問題について、麻生知事は公明党の大塚勝利議員の質問に対し、同大学の施設整備計画に「どうしても幼稚園の土地が必要」と述べ、幼稚園の現在地での存続を検討するつもりがないとの考えを示した。
香椎幼稚園は、1955年に福岡女子大学の同窓会「筑紫海(つくしみ)の会」が幼児教育支援を目的に設立した。敷地内に立地しており、創立55周年を迎え、卒園生も4,500人以上を数える。同幼稚園は福岡女子大の敷地内にあり、同大に年間250万円の地代を支払っている。
県は昨年、学部再編や定員増など同大改革計画を策定。校舎建て替えによる敷地不足などを理由に学園に賃貸借契約の解除を通知。これに対し学園は、「移転には費用がかかる」「近年は大幅な定員割れが続いており、移転も困難」と判断。今年9月、閉園を決め、保護者に通知した。
一方、福岡女子大は入学辞退者の増加や老朽化により、県が昨年に改革計画を策定。2011年をめどに、学部再編や1年間の学生寮への入寮義務付けなどが盛り込まれ、約28億円をかけて寮の増設が予定されている。
保護者たちは「香椎小など周辺3校区内に幼稚園がなくなってしまう。ぜひ存続してほしい」と維持存続運動委員会を発足。存続を求める署名活動を行っており、11月30日には6万人分の署名を添え、存続を求める請願書を県議会へ提出する予定だ。
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