昨年10月、国土交通省九州地方整備局(以下、九地整)が発注した『博多港(須崎ふ頭地区)泊地(-12m)浚渫工事(その2)』の工期は、平成20年10月29日から平成21年3月27日まで。約5か月間である。
同工事の工期延長の顛末を記した九地整の『漁協との打合せ記録』では、開札日でもある10月29日、九地整側が福岡市漁協の「博多湾漁業権管理委員会」の委員長に対し決定した施工業者名を連絡。その日にのうちに漁協に呼び出され、事実上工事を止められてしまう。
許しがたいのは、工事が止められているにもかかわらず、約1億8000万円の工事着手金(前渡金)を支払っていることだ。(画像参照)
同工事の「工事請負契約約款」によれば、請負業者が保証事業会社と保証契約を締結すれば、請負代金の10分の4以内の前払金(着手金)を請求できることになっている。宮川建設(福岡市)と淺川組九州営業所(北九州市小倉南区)で構成する「宮川・淺川経常建設共同企業体」は、契約書に従い同年11月11日に179,382,000円の着手金を請求、九地整側は支払いに応じる。
しかし、当該工事は施工業者が決まった当日にストップしているのだ。着手金も当然支払いを停止すべきである。
工事が1年延長されたせいで、約1億8千万円の税金も1年間「眠った形」になってしまっている。その責任は重い。着手金支払いは妥当だったのか、さらには工事中止の手続きに間違いがなかったのか、さらに検証を進めたい。
(つづく)
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