今月7日、吉田宏福岡市長が就任から3年目を迎えた。結論から言って、これほど情報を発信することのない市長は珍しい。吉田市政誕生後に当選した橋下大阪府知事や東国原宮崎県知事、河村名古屋市長など、改革派の首長たちの動向には常に注目があつまる。自ら問題提起し、積極的に発言する彼らとは対照的に、吉田市長は役人の陰に隠れたままだ。
「何もしない市長」「ビジョンがない」「公約違反ばかり」。市民や市関係者からそうした声が相次ぐなか、来年は待ったなしで福岡市長選挙が行われる。
政権交代が実現し、様変わりした政治状況にあって、06年市長選で吉田氏を推薦した民主党の判断にも注目が集まる。
「マニフェスト」を政権運営の基本に据える同党の方針と、吉田市長の3年間は全く相容れないからだ。
「何もしない市長」ならまだしも、吉田市長は自身のマニフェストの大半を反故にしてきた。「騙された」とする市民の声が多いのはそのせいである。
次週から、吉田市長が前回市長選で公表した「マニフェスト」を中心に、市政の検証を試みる。
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