福岡市南区に本社を置く(株)シーズン(代表:中村克己)は97年11月に設立され、02年6月に靴専用洗浄機、靴専用乾燥機の開発に成功し、03年2月には本社を福岡市美野島へ移転した。ここでシーズン1号店となる美野島店を開店し、新しいビジネスとしてマスコミにも取り上げられるようになった。
同年10月には、福岡県春日市にFC1号店となる春日店を出店し、「season」の屋号でFC事業を開始。さらに08年6月には、(株)ダスキンと(株)三井物産の共同出資によるフランチャイズパートナーズ(株)との契約で、「Re: shoes studio SEASON」の屋号によるFC事業を開始した。
こうして注目されるベンチャー企業に成長した同社だが、最近になって問い合わせが増えている。理由は(1)裁判を抱えている、(2)支払い遅延が発生しているためだ。
(1)については、とくに大阪市のA社が原告で現在進行中の裁判がある。旧本社の福岡市博多区諸岡の物件における賃料の支払い遅延があったとして、A社がシーズンに約653万円を請求したもの。幾度かの督促にも関わらず、「弊社運営上、重大な諸事情が発生したため」「取引先等の支払期日変更に伴い、社内留保調整のため」(08年4月10日付裁判資料)という理由で支払い延期を申し入れていた。結局はその期限にも支払われず、裁判に至ったようだ。
(2)については、複数業者から「代金がまともに支払われていない」という情報が寄せられている。B社は「新型の機械開発のため前金を支払ったが、それがシーズンから機械開発業者に支払われておらず機械が納入されていない」とし、C社は「今月分の支払いすらまともに行なわれていない。全体の3割くらいの入金だった」という。
また、フランチャイズパートナーズと締結したFC事業も、5年以内に200店以上の出店を計画していたものの、今年5月16日に1号店となる岡山大元店を開店したが同9月30日に間もなく閉店。「事実上、提携は白紙撤回となったのでは」(B社)とも聞かれる。
これまでFC加盟者からの出資などで増資しながら経営を維持していたようだが、「受注自体が大幅に減っていた」(C社)様子。未上場ながら株主も多数いるようで、今後の動向が注目されている。
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