市民本位を逸脱した福岡市政の実態が明らかとなった。
今年8月に福岡市役所前の広場に敷設された「人工芝」の工事費は約4,300万円。これだけでも十分「ムダ遣い」として「事業仕分け」の対象となりそうだが、福岡市に対する公文書公開請求によって、調査のための業務委託など関連費用を含めおよそ2倍の額の公金が投入されていたことが分かった。
何もかも外部の力に依存し、公費支出を繰り返す市の姿勢には、疑問の声が上がりそうだ。
福岡市環境局は、人工芝敷設の方針が決まるまで、1年半をかけて環境対策についての検討を行っていたが、そのすべてが業務委託によるもの。ほとんど民間業者任せだった。市職員は、何をやっていたのか分からない。税金泥棒との批判は免れまい。
人工芝敷設工事費の他、事業実施までに発注された業務と費消された金額は次のとおりだ。
●「本庁舎西側広場ヒートアイランド対策検討業務」に283万5,000円。
●「平成20年度 天神地区の熱環境調査業務委託」に598万5,000円。
●「平成20年度 市役所西側『ふれあい広場』ヒートアイランド対策実証実験業務委託」に1,470万円。
●「 同 (その2)」に18万2,700円。
●「 同 (その3)」に178万5,000円。
●「市役所西側ふれあい広場整備検討業務委託」に199万5,000円。
●「平成21年度大都市中枢街区におけるヒートアイランド対策による熱環境管理推進事業委託業務」に588万円。
7件の人工芝関連業務委託費は、計3,336万2,700円。これに人工芝敷設の「本庁舎西側ふれあい広場改修工事」の4,349万4,100円を加えると、合計7,685万5,800円。ざっと8,000万円近い税金を費消したことになる。
市側は、庁舎前の人工芝について天神地区のヒートアイランド対策を牽引するものと説明するが、効果については極めて疑問。目に見える効果が得られるはずもなく、「人工芝の実験」について今年8月のデータ解析を行い、年度末にはさらに検討が行われるという。「業務委託」は続く。
誤解を恐れずに言えば、この程度のことに1億円近い税金を投入するのは無意味である。市民生活とかけ離れた公費支出は厳しく指弾されるべきだろう。
問題は、職員の知恵や工夫を結集する努力を怠り、一連の作業すべてを委託業務とし、湯水のごとく税金を使ったことである。市財政の厳しさを忘れているとしか思えない。
一向に進まぬ校庭の芝生化とは対照的に、次々と業務委託契約を結び進められた庁舎前芝生化。まさに吉田市政を象徴するものだ。
市民が望む施策ではなく、公約無視の望まれない事業に税金が浪費されることは、市民や福岡市にとって不幸としか言いようがない。
(つづく)
【市政取材班】
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