市役所前の人工芝敷設に、工事費を含めて約8,000万円の税金を垂れ流していた吉田福岡市政。支出された8,000万円のうち、約半分は民間企業への「業務委託」費用だった。
吉田市政の特徴は、重要施策について「業務委託」を連発し、自らの発想や努力による街作りを行おうということだ。
一番分かりやすい例が人工島事業の「検証・検討」である。平成19年、福岡市は「アイランドシティ整備事業及び市立病院統合移転事業 検証・検討」を行った。検証・検討チームは市総務企画局の職員を中心に構成されたが、わずか8か月で結果報告を出すに至る。
「検証・検討」の内容の中核をなすのは、「業務委託」によって得られたものだ。委託された業務に対し、成果物として提出されたのは「福岡市立病院経営分析報告書」と「土地調査報告書」である。このうち「福岡市立病院経営分析報告書」には、『こども病院・感染症センターの現地建て替えシュミレーションの実施』が盛り込まれていた。同シュミレーションが、こども病院の現地建て替えを否定するために作成されたものであることを、昨年7月、データマックス市政取材班がスクープしていた。
こども病院に関しては、さらに市保健福祉局が「福岡市病院事業アドバイザリー業務」を、2度にわたって委託していたことも明らかとなっている。全ての業務委託に係る費用は、軽く1億円を超える。
政策決定過程で外部の力を多用し多額の税金を投入する手法は、市役所前広場の人工芝敷設と同様である。
吉田市政は、「業務委託市政」と言っても過言ではない。それはまた、全てを役人や企業に依存し、自らは決断を下さないとされる吉田宏市長の実相でもある。
「業務委託」による「福岡市立病院経営分析報告書」 |
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